参加施設に聞く
vol.33 東北大学大学院医学系研究科様
眼科連携システムの活用状況について、東北大学大学院医学系研究科 神経・感覚器病態学講座 眼科学分野教授 中澤 徹先生にお話を伺いました。
データ共有に
大きな価値
眼科データ共有による円滑なコンサルト
MMWIN眼科連携は、視力、眼圧など基本的なデータからOCTや視野といった画像データまで、データベースにあがるものはすべて見ることができ、遠隔の場にいても、同じ患者情報を参照し合い、その所見について議論することができる環境となっています。MMWIN眼科連携が導入される前は、学会や講演会の場に写真や資料等を持参し、話ができるチャンスを待ってケース相談をするか、または電話で相談することが主となっていました。電話での相談の場合、お互いに共有する資料が十分でないまま口頭での説明となってしまい、ポイントとする点が先生によって異なるということもありましたが、現在はお互いに画像を見ながら話すことが可能となり、非常にスムーズにコンサルトできるようになりました。
この環境を利用して、週に1回、東北大学病院眼科医が診療に伺っている病院と、コンサルトの機会を持っています。また、近隣の開業医の先生との連携も頻繁に行っています。具体的には、主に新規の患者さんを対象に、MMWINのデータを見ながら主治医の先生にプレゼンしていただいて、スクリーニングし、診断するということを行っています。
若手の先生が規模の大きい病院へ赴任している場合、バックアップすることで先生方の診療の向上にもつながりますので、困っている症例のカルテ診療や医局全体でのケースディスカッションのプレゼンの際にもMMWINのデータを活用しています。こういった使い方ができるところが素晴らしいと思います。
遠隔診療への展望
MMWINの遠隔カンファレンスシステムを利用した遠隔診療ができるようになれば、一般診療ではわからない症例について専門医によるコンサルトの場が持てるようになると思います。地域の拠点となる病院を決め、開業医の先生、関連病院の先生が拠点病院に患者さんを紹介し、そこに遠隔診療の環境があれば、コンサルトする時間を作りやすくなると思います。更なる活用のために
緑内障の患者さんは使用してはいけない薬がたくさんありますが、服薬の状況を患者さんに聞いてはっきりとわからない際、MMWINで病名や処方内容等の情報を得ることが可能となります。また、糖尿病のため受診している患者さんに糖尿病網膜症があるかどうかを知りたい際、MMWINで眼底写真と診断内容を確認すれば、診療科をまたぐ紹介状のやりとりが不要となる場合もあります。医師にとって重要な情報をMMWIN加入によって得られるということは、大きな価値があるのではないかと思います。今後は、眼科の先生が他科の何を知りたいのかといった情報を更に集め、MMWIN上の目立つところにリスト化する環境を作っていく必要があると思います。ユーザー側の医師が何を望むか、そのデータを共有することで宮城県の診療レベルが上がる、そういった流れをMMWINが音頭を取り、盛り上げていくことが次のステージになると期待しています。
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