参加施設に聞く

vol.36 栗原市立栗原中央病院様

 宮城県の新型コロナウイルス感染症はまだまだ予断を許さない状態が続いております。2021年1月には、宮城県医療調整本部にて、宿泊療養施設(ホテル)で往診医師が行なったレントゲン検査や血液検査の結果を、MMWINを通じて参照できる仕組みが実装されております。県内においては、ホテルで往診を受けられた方や、感染症指定医療機関にて治療された患者さんの診療情報がMMWINに保存されており、退所、退院後の急な体調変化などの備えとして役立てられています。
栗原市立栗原中央病院では、感染症指定医療機関側が主体となる初の試みとして、2022年5月中旬より新型コロナウイルスで入院された患者さんへMMWINをご案内いただき、もれなく全ての方にご加入いただいております。今回、この取り組みを推進いただいております呼吸器内科部長兼感染管理室長・宇佐美修先生より、新型コロナウイルス感染症診療における活用についてお話を伺いました。

新型コロナウイルス感染症
入院診療における取り組み

 当院では、さまざまな面でMMWINを活用させていただいております。今回はCOVID-19患者さんでの活用例を紹介させていただきます。

 ご存じのとおり、COVID-19は、治癒後も様々な後遺症が遷延することが知られております。例えば胸部X線写真異常陰影、関節痛、慢性疲労感が長期にわたり残存することがございます。また認知能力の低下や、フレイルの進行、もともとの合併症の悪化なども問題となっております。これらの後遺症は、かかりつけ医にて加療されることもあり、不定愁訴として一般内科を受診されることがあります。

 この時、患者さんをMMWINに登録しておくことで、過去のCOVID-19発症日、陽性判明日、隔離期間、合併症発生の有無などを遠隔で把握することができます。特に発症日、重症度は後遺症治療の病態把握に重要な情報です。当院では、今後COVID-19入院患者さん全員をMMWINに登録し、退院後に他院を受診した時にCOVID-19経過を参照できるようにする予定です。

 さらに、退院サマリーを閲覧できるようにしました。忙しい外来中にCOVID-19治療経過を丹念に追うことは困難です。しかし退院サマリーであれば、現病歴、既往歴、治療経過などがA4で1枚にまとまっておりますので、把握はより容易になると思われます。

 先生方の診療の一助になれば幸いです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

栗原市立栗原中央病院 Data

〒987-2205 宮城県栗原市築館宮野中央三丁目1番地1
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