参加施設に聞く

vol.38 仙台医療センター様

 仙台医療センター地域医療連携室では、MMWIN「個別公開機能」を使って、転院先への診療情報を電子的に提供する試みを2022年5月11日より始めています。その評価と今後の展開について、この運用をご提案された救急科医長・川副友先生と連携室主任・小倉美緒様にお話を伺いました。

「個別公開機能」を使った
転院調整事例の紹介

<川副先生のお話>

Q:「個別公開機能」活用のきっかけを教えて下さい
A:東北大学病院勤務時代の経験です。早期の連携が必要になる場合に、紙文書でのやり取りではどうしてもタイムラグがでてしまいます。画面を通じて患者情報を共有しながらリモートカンファレンスを行うようになれば迅速に無駄なく対応できます。効果として、紙に書き直す必要が無いので手間が省けることと、文字情報だけではなく画像を含めた情報を提供でき、共有できる情報量が多いことです。
Q:その他の利用方法をお聞かせ下さい
A:緊急事態で患者さんを急いで転院搬送しなくてはならない時に、検査画像をCD-ROMに書き込む時間が待てない時があります。そういう時にMMWIN「個別公開機能」を使って画像提供できれば非常に助かります。また、救急外来では多様な症例を受け入れる際に、患者さんの治療歴情報をご家族から聞き出したり、通院歴のある病院から紹介状を送ってもらったりするなどに大変な労力を使っています。もし患者さんがMMWINに加入されていたら、正確かつ迅速に情報を把握できる様になります。
Q:課題等がございましたらお聞かせ下さい
A:必ずMMWINシステムに登録しなければならないという手順があります。 事務的な手続きは、基本的に平日の対応となります。夜間や休日救急時の対応方法の検討が必要です。また個々の症例において、患者本人及び代諾者からの同意が必要です。特に緊急時などは、オプトアウト方式による同意が可能となれば、より使いやすくなると思います。

<小倉様のお話>

Q:地域医療連携室の評価をお聞かせ下さい
A:当初、MMWINを利用するのはなかなかハードルが高いという印象がありました。個別公開機能の利用は、紐づけせずに情報共有できますし、操作はとても簡単でした。コロナ禍前ですと、患者さんの受入れに際し、転院先の先生と当院の医師とでカルテや患者さんを診て相談するなどもできたのですが、今では行き来も難しくなり、MMWINのニーズはどんどん高まっていると思います。
また、三次救急である当院では重症の患者さんをより多く受け入れるために、ある程度症状が落ち着いた患者さんは、スムーズに転院先を調整する必要があります。その際にMMWINの個別公開機能を利用することにより、沢山の情報を迅速に共有できるため、スムーズな転院支援につながっていると思います。今後は、一般の転院調整にも広げて利用できるようになればと思います。
Q:ご要望があればお聞かせ下さい
A:当院のADL情報とレポート類の自動アップロードができれば良いと思います。今はスキャンで読み込むような運用にしています。今後は、リハビリで連携する病院にも拡大出来たらもっともっと便利になり、私たちだけでなく連携施設側にも大変良いことと思います。

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