医療関係者の方

TOPICS
1 心不全診療ガイドライン 2 SGLT2阻害薬と心不全 3 新規のミネラルコルチコイド受
    容体拮抗薬エサキセレノン(ミネ
    ブロⓇ)
4 頻脈性不整脈に対するカテーテ
    ルアブレーションの長期予後効果

   ここは臨床に役立つ情報を提供していくページです。是非先生方でお互いに情報提供をして
   いただけますと幸いです (MMWIN事務局)

第3回目は新規のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬エサキセレノン(ミネブロⓇ)についてです。 2019.5.8

新規のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬エサキセレノン(ミネブロⓇ)


 ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MR拮抗薬)は、尿細管などにおけるアルドステロンの働きを阻害し、血圧を下げる作用を有します。また、心臓の肥大などに関わるアルドステロンの働きを抑えるため、高血圧症以外にも、慢性心不全の治療に使われています。
 これまではMR 拮抗薬としてはスピロノラクトン及びエプレレノンが使用可能でした。スピロノラクトンは、女性化乳房などの性ホルモン受容体に関連した副作用を発現しやすいことが知られています。また、エプレレノンは、スピロノラクトンに比べてこれらの副作用は少ないものの、高血圧患者さんにおいて、クレアチニンクリアランス 50 mL/分未満の腎機能障害患者さん及び微量アルブミン尿又は蛋白尿を伴う糖尿病患者には使用できませんでした。そのため、こうした腎機能障害や、蛋白尿を伴う糖尿病を合併する高血圧患者さんに対しても安全に使用できる新たなMR拮抗薬の開発が望まれていました。
  今回、次世代型の非ステロイド構造を有する選択的MR拮抗薬であるエサキセレノン(ミネブロⓇ)が発売されました。国内臨床試験において、これまでエプレレノンが投与できなかった中等度腎機能障害(図上)や、アルブミン尿を有する2型糖尿病(図下)を合併した高血圧患者において慎重に投与することで、安全かつ確実に血圧を下げることができることが示されました。また、同試験においてエサキセレノンにより尿中アルブミン/クレアチニン比が減少し、腎機能障害が改善することも明らかになりました。
  現在、エサキセレノンは高血圧症患者のみ服用が可能です。高カリウム血症もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者、重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者、カリウム保持性利尿剤やMR拮抗剤又はカリウム製剤を服用中の患者、エサキセレノンの成分に対し過敏症の既往歴のある患者には使用できません。また現在、保険適応の関係から、その効果が本来期待される心不全患者さんには高血圧の合併がないと使用できません。そのため、今後、このような患者に使用可能となることが期待されます。


            (文責:東北大学病院 循環器内科 後岡広太郎先生、坂田泰彦先生)

(東北大学病院循環器内科 広報誌 HEART52号より改編させて頂きました。オリジナルはこちら