医療関係者の方

TOPICS
1 心不全診療ガイドライン 2 SGLT2阻害薬と心不全 3 新規のミネラルコルチコイド受
    容体拮抗薬エサキセレノン(ミネ
    ブロⓇ)
4 頻脈性不整脈に対するカテーテ
    ルアブレーションの長期予後効果
5 新規の高脂血症治療薬「ペマフ
    ィブラート(パルモディア®)」

   ここは臨床に役立つ情報を提供していくページです。是非先生方でお互いに情報提供をして
   いただけますと幸いです (MMWIN事務局)

第5回目は新規の高脂血症治療薬「ペマフィブラート(パルモディア®)」についてです。
2019.8.2
    

新規の高脂血症治療薬「ペマフィブラート(パルモディア®)」


  フィブラート系薬剤は脂質異常症、特に高トリグリセライド(TG)血症および低HDLコレステロール(HDL-C)血症に対する治療 薬として用いられ、その作用標的は核内受容体PPARα活性化であることが明らかにされています。しかし、従来のフィブラート系薬はPPARαへの選択性が低く、
肝機能悪化やクレアチニン上昇等の副作用も多いことが臨床上大きな問題でした。
   新規の高脂血症治療薬「ペマフィブラート(パルモディア®)」世界初の選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)として2018年6月に日本で発売され、最近、長期処方も可能になりました。
   わが国で行われたペマフィブラートの臨床試験では右図に示すように、優れたTG低下作用とHDL-C上昇作用を有し、従来のフィブラート系薬と比較して副作用の頻度が少なく、極めて良好な安全性が確認されました。さらにペマフィブラート投与後のHDL機能の活性化、食後高脂血症の改善、高感度CRPの低下、フィブリノーゲン低下などの好ましい作用が認められました。
   安全面でも、肝機能検査値の上昇や血清クレアチニン上昇といった従来のフィブラート系薬剤に認められた有害事象が少なく、特に各種スタチンとの併用において相互作用が少ないため高い忍容性が確認されました。さらに、従来のフィブラート系薬剤の多くが腎排泄型であるのに対し、ペマフィブラートは主として胆汁排泄型であり、腎機能低下例でも血中濃度の増加はなく、安全に使用が可能であることが示されました。
  しかし、フィブラート系薬剤による高脂血症を主対象とする質の高い予後検証試験はこれまでほとんどなく、糖尿病を合併する場合は別として、TGを低下させることによって心血管系のイベント発生を抑制できるかは明確ではありませんでした。現在、ヒトにおけるペマフィブラートのCVイベント抑制効果を実証するための大規模臨床試験であるPROMINENT試験が、米国・英国・日本・ロシア等を含む全世界24か国で進行中です。研究責任者は東北大学病院循環器内科下川教授の友人である米国ハーバード大学ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のPaul Ridker教授が務め、世界初のSPPARMαの抗動脈硬化作用を検討する試験として今後の結果が大いに期待されています。
 


             
(文責:東北大学病院 循環器内科 高橋 潤 先生)

(東北大学病院循環器内科 広報誌 HEART53号より改編させて頂きました。オリジナルはこちら